映画『メガロポリス』を観に行く!
2025 年7月7日現在、まだこれからなのですが、映画『メガロポリス』をみたいなと思って予習を兼ねて調べてみました。
(perplexity に調べてもらいました)
映画を観てきたら、感想など追記予定です。
映画『メガロポリス』概要
『メガロポリス』(Megalopolis)は、フランシス・フォード・コッポラ監督が40年以上にわたり構想し、私財約186億円(1億2000万ドル)を投じて完成させた壮大なSF叙事詩映画です[2][5][6][7]。
物語の舞台とテーマ
– 舞台は21世紀のアメリカ共和国、「ニューローマ」と呼ばれる大都市。ここでは、ローマ帝国を思わせる社会構造のもと、富裕層と貧困層の格差が深刻な社会問題となっています[1][2][4][5][6][7]。
– 主人公は天才建築家カエサル・カティリナ(アダム・ドライバー)。彼は人々が平等で幸せに暮らせる理想郷「メガロポリス」の建設を目指します[1][2][4][5][6][7]。
– しかし、財政難のなか利権に固執する市長フランクリン・キケロ(ジャンカルロ・エスポジート)と激しく対立。また、一族の後継を狙うクローディオ・プルケル(シャイア・ラブーフ)の策謀にも巻き込まれ、カエサルは絶体絶命の危機に陥ります[1][2][5][6][7]。
制作背景と特徴
– コッポラ監督は1980年代から本作の脚本を構想し、H.G.ウェルズ原作の映画『来るべき世界』にインスパイアされたと語っています[2][7]。
– 2001年には撮影準備が進められましたが、9.11同時多発テロの影響で一度は中断。その後も資金難などで頓挫しかけましたが、2021年に監督自身がワイナリーの一部を売却し、私財を投じて製作を再始動させました[2][5][6][7]。
– 2024年カンヌ国際映画祭コンペティション部門でプレミア上映され、賛否両論を呼ぶもスタンディングオベーションを受けました[2][7]。
キャスト
– カエサル・カティリナ:アダム・ドライバー
– フランクリン・キケロ市長:ジャンカルロ・エスポジート
– ジュリア(キケロの娘):ナタリー・エマニュエル
– クローディオ・プルケル:シャイア・ラブーフ
– その他、オーブリー・プラザ、ジョン・ボイト、ローレンス・フィッシュバーン、タリア・シャイア、ジェイソン・シュワルツマン、ダスティン・ホフマンなど豪華キャストが脇を固めます[7]。
日本公開と日本での評価・話題性
– 2025年6月20日より全国公開(IMAX上映も実施)[7][8]。
– 「映画である以上に体験であり、体験として忘れがたい」など、映画評論家から独特な評価を受けています[7][4]。
– コッポラ監督の「人生をかけた」渾身の一作として、映画史に残る話題作となっています[4][7]。
本作は、現代社会への鋭い問題提起と、映画表現の限界に挑戦した意欲作として注目されています。
映画『メガロポリス』概要 参考文献
[1] https://hark3.com/megalopolis/
[2] https://eiga.com/movie/101588/
[3] https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%AC%E3%83%AD%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%82%B9_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
[4] https://www.newsweekjapan.jp/stories/culture/2025/06/556004.php
[5] https://www.youtube.com/watch?v=WZHt1GfCCLM
[6] https://ototoy.jp/news/124539
[7] https://eiga.com/news/20250415/2/
[8] https://filmarks.com/movies/106068
[9] https://www.youtube.com/watch?v=lMVn9cPwbvM
[10] https://news.yahoo.co.jp/articles/1f708e7e7e0d009eeecbf55a485ba2ca4f95e63b
コッポラと『メガロポリス』 40年以上にわたる制作の道のり
構想の原点(1970年代末〜1980年代)
– フランシス・フォード・コッポラが『メガロポリス』を思いついたのは、1979年の『地獄の黙示録』撮影終了間際の1977年頃でした[1][2][3]。
– 当時、彼はローマ帝国の衰退とアメリカの未来を重ね合わせ、ローマ史のカティリナ陰謀事件(紀元前63年)を現代ニューヨークに置き換えるという壮大な構想を抱きました[1][4][5]。
– 1983年には数百ページに及ぶノートや脚本断片を作成し、新聞の切り抜きや歴史的資料を集めて、物語のアイデアを練り続けました[1][6]。
幾度もの挫折と延期(1980年代〜2000年代初頭)
– 1989年にはイタリア・チネチッタでの撮影計画も発表されましたが、資金難や他作品(『ゴッドファーザー PART III』『ドラキュラ』など)の優先で延期[1][3]。
– 2001年、ニューヨークでの撮影準備が進みましたが、9.11同時多発テロの影響で「破壊された都市の再生」というテーマが時代と合わず、プロジェクトは再び中断[2][3]。
– さらに、1982年の『ワン・フロム・ザ・ハート』の大失敗で巨額の負債を抱え、以降は商業的な作品で借金返済を余儀なくされました[2][3]。
独立と自己資金による再始動(2010年代〜2020年代)
– ハリウッドのスタジオシステムから距離を置き、ワインビジネスで築いた財産を元手に、コッポラは「完全な自由」を求めて自費製作を決意[1][2][7][8]。
– 2021年、ワイナリーの一部を売却し、1億2,000万ドル(約186億円)もの私財を投じてプロジェクトを本格始動[1][7][8]。
– 2022年11月から2023年3月にかけて米ジョージア州で主要撮影が行われました[1]。
制作現場の混乱と創作のこだわり
撮影現場では、俳優の即興演技や脚本への意見を積極的に取り入れるワークショップ形式を導入。俳優やスタッフとの意見の衝突や創作上の摩擦も多発しました[1][3]。
コッポラは自身の理想を貫き、スタジオやプロデューサーの干渉を排除。「映画でありながらオペラのような体験」を目指し、数十年にわたり構想を温め続けました[1][2][6]。
完成と公開
2024年、カンヌ国際映画祭でプレミア上映され、賛否両論を巻き起こしながらも映画史に残る話題作となりました[2][8]。
この映画は、コッポラ自身の人生、夢、挫折、そして再起の物語とも重なっています[9]。
『メガロポリス』は、コッポラが40年以上にわたり温め続け、数々の困難を乗り越えて私財を投じて完成させた、まさに「人生をかけた」一作です。その道のりは、映画史でも稀に見る執念と創作への情熱に満ちています[1][2][3][8][9]。
コッポラと『メガロポリス』 参考文献
[1] https://en.wikipedia.org/wiki/Megalopolis_(film)
[2] https://www.nytimes.com/2024/09/27/movies/megalopolis-francis-ford-coppola.html
[3] https://filmstories.co.uk/features/the-mega-problems-of-francis-ford-coppolas-megalopolis/
[4] https://www.nationalgeographic.com/history/article/megalopolis-movie-cicero-catiline-conspiracy
[5] https://www.newyorker.com/books/book-currents/francis-ford-coppola-on-books-that-influenced-megalopolis
[6] https://www.theatlantic.com/culture/archive/2024/09/megalopolis-review-francis-ford-coppola-interview/680052/
[7] https://www.cfo.com/news/francis-ford-coppolas-insight-on-trust-success-megalopolis-funding-and-humanity/731010/
[8] https://artsfuse.org/298621/film-review-francis-ford-coppolas-megalopolis-forty-years-in-the-making-and-it-shows/
[9] https://www.openculture.com/2024/10/the-story-of-francis-ford-coppolas-four-decade-struggle-to-make-megalopolis.html
[10] https://slate.com/culture/2024/05/megalopolis-francis-ford-coppola-movie-cannes-2024-review.html
[11] https://www.npr.org/2024/09/27/nx-s1-4964777/megalopolis-francis-ford-coppola-adam-driver-aubrey-plaza
[12] https://deadline.com/2025/05/megalopolis-making-of-doc-megadoc-acquired-utopia-1236393917/
[13] https://collider.com/megalopolis-movie-cast-plot-filming-francis-ford-coppola/
[14] https://champlaincrossover.org/2639/culture/megalopolis-francis-ford-coppolas-fascinating-failure/
[15] https://variety.com/2025/film/global/megalopolis-making-of-doc-megadoc-utopia-1236393416/
[16] https://www.polygon.com/opinion/455654/megalopolis-explained-francis-ford-coppola-story
[17] https://floodmagazine.com/175155/francis-ford-coppola-megalopolis-most-personal-films-to-date/
[18] https://www.esquire.com/uk/culture/a62004887/francis-ford-coppolas-megalopolis-is-inspired-by-a-true-story-kind-of/
[19] https://www.kuow.org/stories/the-movie-tells-you-how-to-make-it-after-decades-coppola-s-megalopolis-is-here
『メガロポリス』に込められたオマージュ・引用
『メガロポリス』は、古代ローマ史、現代都市計画、社会批評、文学、映画史など、多層的なオマージュと引用に満ちた作品です。歴史や思想、古典映画の知識を少し予習しておくことで、物語や映像の奥深さをより味わうことができます。
1. 歴史的出来事・人物へのオマージュ
カティリナ陰謀事件(紀元前63年)
物語の中心となる権力闘争は、紀元前63年のローマ共和政末期に実際に起きた「カティリナ陰謀事件」を下敷きにしています。
没落貴族カティリナが、政敵キケロら元老院支配層に反発し、下層民や債務者を糾合して政権転覆を企てた事件です。
キケロは有名な「カティリナ弾劾演説」でこの陰謀を暴き、都市の危機を未然に防ぎました。
映画中での主人公カエサル・カティリナと市長キケロの対立は、この歴史的事件の現代的な再解釈です
映画の主人公カエサル・カティリナは、ローマ共和政末期の実在の政治家ルキウス・セルギウス・カティリナ(Catiline)と、ユリウス・カエサルの両方を象徴しています。
映画の対立構造は、カティリナと彼を弾劾したキケロ(Cicero)との歴史的対立に基づいています[1][2][3]。
映画の 市長フランクリン・キケロは、実際のキケロ(ローマの雄弁家・政治家)がモデルです。
ローマ帝国の衰退とアメリカ
– コッポラ監督は「ローマ帝国の滅亡」と「現代アメリカの危機」を重ね合わせ、社会の分断や権力闘争を描いています[1][4]。
都市計画者ロバート・モーゼス
– 主人公カエサルは、20世紀ニューヨークの都市計画者ロバート・モーゼス(Robert Moses)をモデルにしています。都市改造の理想と現実、権力の光と闇を象徴しています[5][1]。
その他の歴史的人物・事件
– ハミルトン・クラッサスはローマの大富豪クラッスス(Marcus Licinius Crassus)がモデル。
– クローディオ・プルケルはローマの政治家クロディウス・プルケル(Publius Clodius Pulcher)が元ネタです。
– ヴェスタ・スウィートウォーターはローマ神話のヴェスタの巫女(Vestal Virgins)への言及で、純潔の象徴として描かれています[1]。
2. 小説・書籍からの影響
現代思想・社会批評書
– デヴィッド・グレーバー『負債論』『ブルシット・ジョブ』『万物の黎明』など、現代社会の経済・労働・歴史観を問い直す書籍がインスピレーション源となっています[1][4][6][7][8]。
– フランシス・フクヤマ『政治の起源』、ライアン・アイズラー『聖杯と剣』、ヘルマン・ヘッセ『ガラス玉遊戯』なども挙げられています。
文学作品
– 『紅楼夢』(曹雪芹)、ゲーテ『親和力』、ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』、ヘッセ『ガラス玉遊戯』など、多様な文学作品の引用やテーマの反映があります[1][7]。
3. 映画・映像作品へのオマージュ
『来るべき世界』(Things to Come, 1936)
– H.G.ウェルズ原作の未来都市を描いた映画が直接的なインスピレーションとなっています[9][10]。
コッポラが影響を受けた20本の映画リスト
『カビリア』(Cabiria, 1914)や『美女と野獣』(1946)、『アイズ ワイド シャット』(1999)など
– コッポラ自身が影響を受けた20本の映画リストを公開しており、表現や構図、テーマに様々な古典映画のエッセンスが見られます[9][11][12]。
建築・都市デザイン
– フランク・ロイド・ライト、ノーマン・ベル・ゲデスなどの建築家の思想やビジュアルも随所に反映されています[1]。
4. 物語構造・テーマ
都市再生・理想郷建設
破壊された都市の再生、ユートピア建設というテーマは、古今東西の文学・映画で繰り返し描かれてきたモチーフです。
「新しい都市を創る」という主人公の理想は、現実の都市計画史や社会運動とも重なります[5][1][13]。
権力闘争と倫理
– 権力者同士の駆け引き、理想と現実のギャップ、腐敗と改革の対立など、シェイクスピア劇やギリシャ悲劇に通じる構造です。
5. 予習しておくとより楽しめるポイント
カティリナ陰謀事件とローマ史
– ローマ共和政末期の政治闘争(特にカティリナとキケロの関係)を簡単に調べておくと、登場人物や物語の背景がより深く理解できます[1][2][14]。
ロバート・モーゼスと20世紀NY都市計画
– 『ザ・パワー・ブローカー』(ロバート・カロ著)などで知られるモーゼスの都市改造史を知ると、主人公の思想や葛藤が鮮明に見えてきます[5][1]。
デヴィッド・グレーバーの著作
– 『負債論』『ブルシット・ジョブ』『万物の黎明』は、現代社会の構造や働き方、経済観を批判的に捉える視点を与えてくれます[4][6][8]。
H.G.ウェルズ『来るべき世界』や古典映画
– 未来都市やユートピアを描いた過去の映画に触れておくと、映像表現や物語の引用がより楽しめます[9][10][12]。
『メガロポリス』に込められたオマージュ・引用 参考文献
[1] https://en.wikipedia.org/wiki/Megalopolis_(film)
[2] https://screenrant.com/megalopolis-catilinarian-conspiracy-history-inspiration-explained/
[3] https://www.imdb.com/title/tt10128846/
[4] https://lithub.com/the-unlikely-literary-inspiration-behind-francis-ford-coppolas-new-film/
[5] https://commonedge.org/the-brilliant-unhinged-spectacle-of-megalopolis/
[6] https://tertulia.com/editorial-list/8-books-that-inspired-francis-ford-coppolas-megalopolis
[7] https://www.newyorker.com/books/book-currents/francis-ford-coppola-on-books-that-influenced-megalopolis
[8] https://nofilmschool.com/books-that-inspired-francis-ford-coppolas-megalopolis
[9] https://letterboxd.com/francisfcoppola/list/20-films-that-inspired-megalopolis/
[10] https://www.yahoo.com/entertainment/francis-ford-coppola-shares-films-233057491.html
[11] https://www.instagram.com/p/DAD0-GQvBJB/
[12] https://usc.cannesclassics.com/2024/05/22/a-non-comprehensive-aesthetic-guide-to-francis-ford-coppolas-megalopolis-2024/
[13] https://bluprint-onemega.com/arts-culture/megalopolis-analyzing-themes-and-architecture/
[14] https://www.houyhnhnm.jp/en/news/1001848/
[15] https://www.reddit.com/r/classicfilms/comments/1fykd50/two_classic_movie_references_in_coppolas/
[16] https://www.rogerebert.com/reviews/megalopolis
[17] https://manualredeye.com/99071/arts-entertainment/review-megalopolis-is-coppolas-misunderstood-money-pit/
[18] https://www.nationalgeographic.com/history/article/megalopolis-movie-cicero-catiline-conspiracy
[19] https://lithub.com/francis-ford-coppolas-camp-masterpiece-notes-on-megalopolis/
[20] https://reason.com/2024/12/13/megalopolis/