すばる文学賞受賞者の永井みみさんの受賞の言葉がSNSで流れてきました。とても inspiring で、これ自体が作品になりそうな文章だと思いました。
少しだけ引用させていただきますね。
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ほんとうは、作家になりたかった。
劇団の裏方をやっていたときも、ほんとうは、作家になりたかった。
コピーライターをやっていたときも、ほんとうは、作家になりたかった。
(中略)
今年のはじめ。
コロナで死にかけたときは、作家として死にたかった、と心底悔やんだ。
でも、まさか、ほんとうになろうとは。
これからは、ほんとうの、作家になりたい。
選考委員のみなさま、編集部のみなさま、すべてのみなさま、かぞく、ほんとうに、ありがとうございました。
(初出「すばる」2021年11月号)
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これは受賞の言葉の一部ですが、全体を読むと、『なりたかった』の繰り返しが力強く畳み掛けてきます。
読んでいるうちに、そういえば、私も〇〇になりたかったな、そういえば、まだ〇〇もしてないな、などと色々な思いが湧き出てきました。
さすが、受賞者の言葉だなと。
受賞作の小説『ミシンと金魚』もたちまち物語に引き込まれ、一気に最後まで読んでしまいました。
誰にもやってくる老いと死と人生について考えさせられます。決して長くはない物語ですが、主人公のこれまでの人生が浮かびあがってきます。少し悲しい物語です。
永井みみさんは56歳の現役ケアマネージャーなのだそうです。だからこそ書けた物語なのでしょう。
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